「霞が関」に発想の大転換を迫る「デジタル規制改革」の実現性

新潮社フォーサイトに12月11日に掲載された記事です。オリジナルページ→https://www.fsight.jp/articles/-/46237

 

 「時代遅れの規制がそのまま残され、新たなチャレンジやイノベーションを阻んできた」

 自民党行政改革推進本部規制改革チーム(座長・小林史明衆議院議員)が、規制のあり方を根本から問い直す提言を11月末にまとめ、政府に申し入れた。デジタル技術とデータを基礎にした新たな経済社会に急速に変わっている中で、旧来型の規制のあり方が、時代にそぐわなくなっている、というのである。

「結果」を重視

 規制改革チームが象徴的な例として掲げているのが、安全点検などの規制ルールのあり方。例えば、高圧ガス保安法などによる安全点検を定めた規制では、年に1度操業を停止し、都道府県による法定の保安検査を実施することが定められてきたが、2017年4月からIoT(モノのインターネット)やビッグデータの活用など新技術を導入し、さらにリスクマネジメント体制などを整備した事業所を「スーパー認定事業所」として、連続運転期間を長く認める規制改革を実施した。年に1度、目視などによるアナログ検査を実施するよりも、高度なセンサーによって常時監視している方が、安全確保という「目的」に合致するというわけだ。こうした規制が様々な業界に数多く存在し、それがイノベーションを阻害している、というのである。