2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

年金資金が国債に還流する!? AIJ2000億円年金消失事件で広まる「積極運用悪玉論」

税社会保障の一体改革もあって世間の年金制度への関心が高まっている中で、不良投資顧問が2000億円を溶かす(預り資産を消滅させてしまう)事件が起きました。この事件はどこに問題があったのか。ともすると利回り向上を狙った積極運用に矛先が向きます。さ…

匿名でなければホンネは聞けないのか?

2月28日、船橋洋一さんがコーディネートした「福島第一原発独立事故調査委員会(民間事故調)」の報告書がまとまり、記者会見が行われました。政府の事故調査委員会では行っていなかった菅直人前首相へのヒヤリングなどで、おぼろげながらも当時の人模様…

2012年は「信用」をめぐる攻防の年

年明けの「フジサンケイビジネスアイ」の1面コラムで、今年は信用をめぐる攻防の年になる、と書きました。2012年も2カ月を過ぎようとしていますが、この見方は今のところ当たっているように思います。とりあえず、欧州は信用をつなぎ止めることに成功し、…

「社外取締役」を嫌がる経営者の和

オリンパスのような企業の不祥事をどうやったら防げるか。民主党、自民党ともに議員がチームを作って会社法のあり方などについて議論を進めている。焦点は、経団連など経済界の嫌がる「社外取締役の義務付け」に国会がGOサインを出すか。法務省の試案では「1…

"菅直人リスク"を背負う「原子力規制庁」設立を急ぐ民主党政府の「政治主導」は、実は霞が関の隠れ蓑

「政治主導」は民主党政権のキャッチフレーズですが、何でもかんでも政治家が口を出せばよいというものではありません。専門性の高い領域や独立性が必要な分野は政治も介入しないような組織づくりが必要です。本来は金融庁などはそういう役所で、金融庁長官…

資本市場では「嘘つきは泥棒」 最悪の犯罪だからこそ上場廃止は当然

「エルネオス」に連載の1月号だけ再掲が抜けてしまいました。ここでもオリンパスの上場廃止問題について書いていますが、上場維持を決めた人たちからみれば「負け犬の遠吠え」ぐらいにしか感じないでしょう。もちろん東証は当局の捜査で新事実が出てくれば審…

移民減少に危機感を抱くドイツ 議論すらできない日本

1月末に厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が2060年までの日本の将来人口推計を発表しました。2010年で1億2806万人いる日本の総人口は50年後の2060年に8674万人に減少するとしています。少子高齢化は止まらず、世界史上に例をみない超高齢社会が訪れ…

「モノ言う」企業年金連合会の変節

実践コーポレートガバナンス研究会(http://icgj.org/)の門多丈(かどた・たけし)さんからメールが来ました。米国のサンディエゴ近郊で開かれていたPacific Pension Institute Winter Round Tableに参加していたそうです。カルパースなど米国公的年金や欧…

あずさと新日本に「結果責任」問え

オリンパスの巨額損失隠し事件で、東京地検特捜部が菊川剛元社長ら7人を逮捕しました。今回の事件では、雑誌FACTAの追及を受けた会社側が過去の損失隠しを認め、第三者委員会でどんどん「真実」が明らかになっていくという珍しい展開になりました。今…

昔MOF担、今ロビイストの影

FACTAに連載中の「監査役最後の一線」は、全国の監査役が日々企業の業務監査に携わる際に自らのやるべきことを考えるきっかけにしていただきたい、という思いで執筆しています。古くなりましたが11月号の記事を編集部のご厚意で再掲させていただきま…

不動産売買のアンバランスを克服する一手

日本の庶民の資産の大半は自らが住む住宅でしょう。若い頃からローンを組んで手に入れたマイホームが個人の最後の拠り所と言えます。その不動産の価値は、放っておけば下がり続けます。人口減少が続けば、不動産への需要は減ると考えられるからです。最近、…

「素人感覚で突貫取材」を始めた「東京プレスクラブ」弱腰記者の本当の狙い

メディアのあり方が厳しく問われている昨今ですが、様々な新しい取り組みが出てきています。そんな一例を「現代ビジネス」にアップしましたので、是非ご一読ください。編集部のご厚意で以下にも再掲します。 オリジナルページ→http://gendai.ismedia.jp/arti…

「報道姿勢について新聞は総括すべき」は正論だ。

商社の財務で長年、企業金融や企業統治問題を見続けてきた門多丈さんが「経営者の保身と新聞ジャーナリズム」というタイトルで経済新聞批判をブログに書いています。 http://bit.ly/zogjQG 昨年まで経済新聞にいた身としては、反省するところ大だと感じます…

「報道姿勢について新聞は総括すべき」は正論だ。

商社の財務で長年、企業金融や企業統治問題を見続けてきた門多丈さんが「経営者の保身と新聞ジャーナリズム」というタイトルで経済新聞批判をブログに書いています。 http://bit.ly/zogjQG 昨年まで経済新聞にいた身としては、反省するところ大だと感じます…

税制の競争力:地方が税率を競うスイス 所得税12%から26%まで

消費税の税率引き上げ論議が本格的に始まります。「このままでは年金も健康保険も破綻するぞ」「大変だ、大変だ」といった感じで、増税待ったなしのムードが作られています。日本国民の税負担率は低いと言われますが、毎月の月給から引かれている厚生年金や…

「報道姿勢について新聞は総括すべき」は正論だ。

商社の財務で長年、企業金融や企業統治問題を見続けてきた門多丈さんが「経営者の保身と新聞ジャーナリズム」というタイトルで経済新聞批判をブログに書いています。 http://bit.ly/zogjQG 昨年まで経済新聞にいた身としては、反省するところ大だと感じます…

日本では経営者の暴走は止められない── 「社長」の反対で企業統治改革は腰砕け

ビジネス情報月刊誌「エルネオス」2月号 → URL:http://www.elneos.co.jp/ 連載──⑩ 硬派経済ジャーナリスト 磯山友幸の≪生きてる経済解読≫社外取締役義務付けに反対 オリンパスに大王製紙、九州電力、東京電力など、二〇一一年は企業の不祥事が相次いだ年だっ…

「会社法改正」はどこへ。懲りない経営者たちが抵抗する「社外取締役1人義務化」も雲散霧消?

会社法の改正というのは世の中の株式会社に大きな影響を与えるものですが、世間では余り関心を呼ばないのが実情です。経団連などの財界団体や商法学者など「身内の議論」でルールが決まっているような感じがあります。今回の中間試案では、法務省はパブリッ…

原子力災害対策本部「議事録ナシ」は氷山の一角 国会事故調が挑む「政府による情報隠し」の壁

現代ビジネス→ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31685 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所事故に関して政府が設置した「原子力災害対策本部」の議事録が存在しないことが明らかになり、大きな問題になっている。1月末に召集された通常国会…