新潮社フォーサイトに7月12日にアップされた拙稿です。オリジナルページ→https://www.fsight.jp/articles/-/45600
世の中は「働き方改革」ばやりだ。一律、深夜残業を禁止したり、夜決まった時間になると消灯するなど、残業圧縮に乗り出す企業も多い。本来、「働き方改革」は仕事のやり方を見直して生産性を上げるのが狙いのはずだが、今はともかく残業を減らせという「労働時間短縮運動」となって広がっている。
電通で起きた1つの“事件”
もともと政府が「働き方改革」を掲げたのは、人口が減少していく中で、生産性を上げなければ経済成長はあり得ないという危機感からだった。安倍晋三内閣は「女性活躍促進」を掲げて女性の労働市場参入を促し、「一億総活躍社会」を掲げて働き続ける高齢者を増やしてきた。名目GDP(国内総生産)を増やすには労働投入量を増やすか、生産性を高めるかが必要になるが、ここ数年の伸びは労働投入量が増えた結果だ。65歳以上の就業者は800万人を超え、就業者数は実数で過去最多になっている。
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