フォーサイト「2020年の注目点、気になること」【テーマ編】

新潮社フォーサイトに1月2日にアップされました。

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【日本経済:磯山友幸】不況下の賃金上昇

 消費増税の影響が予想以上に大きく、そうでなくても低迷していた消費が大きく落ち込んでいる。2020年はこの消費低迷がどこかで底を打つのか、それとも景気が底割れするのか、大きな焦点になる。一方で、団塊世代が全員70歳以上になり、本格的に労働市場から退出する。景気が後退したとしても、人手不足は逆に深刻化するだろう。

 最低賃金の引き上げもあり、人件費の上昇も続く。不況下の賃金上昇という「試練」に企業は直面することになる。だが、それは日本の経済構造を変えていくきっかけになるかもしれない。いかに付加価値を高め、収益を上げて賃金を引き上げていくか。本当の意味での働き方改革を促し、企業に高付加価値化を迫ることになる。