東北金融「打撃の現状」と「復旧策」

 東日本大震災による東北地方の金融機関経営への影響が徐々に表面化しつつある。仙台市に本店を置く第2地方銀行仙台銀行は4月11日、「金融機能強化法」に基づく公的資金の申請の検討に着手すると発表。これに続いて18日には、東北最大の地方銀行である七十七銀行公的資金の申請の検討に入ると発表した。
 公的資金の申請理由について仙台銀行は「中小企業等のお客様に対し充分な金融仲介機能を提供し、大震災復興に向けた取組みに対する支援に積極的に取り組んでいく」としている。また、七十七銀行も「震災復興に向け国と連携して十分な資金供給をはかり、金融仲介機能を発揮していく」と発表した。つまり、地域金融機関の責務として金融仲介機能を発揮し、顧客企業などを支援するためには自己資本の強化が必要だ、という論理だ。
読み切れない「震災関連損失」
 銀行自身のためではなく、融資先企業のためという論理は、金融不安を煽らないための慎重な言い回し、ということだろう。だが現実には、震災によって金融機関の経営自体が大きく揺さぶられていることは明らかだ。

以下 新潮社フォーサイト 20110425アップ(有料)
http://www.fsight.jp/article/10432