東芝「上場廃止」宣告できない東証の「情けない理由」

4月28日にフォーサイトにアップされた原稿です。

 東芝が、会計帳簿をチェックする監査法人を現在のPwCあらた監査法人から別の監査法人に交代させる方針を固めたと、日本経済新聞などが一斉に報じた。米原子力子会社のウェスチングハウス(WH)の会計処理などを巡って、PwCあらたから決算書が正しいという「適正意見」のお墨付きを得られるメドが立たないことから、監査法人をクビにするという異例の行動に出る。欧米では監査意見を得るために監査法人を交代させることを「オピニオン・ショッピング(意見を買う)」と言い、上場企業として最も卑下される行為。東芝は上場維持に向けて、なりふり構わぬ行動を取り始めることになる。

本来認められないはず

 東芝は、2015年に発覚した巨額粉飾決算金融庁から課徴金を課されたのち、前任の新日本監査法人を解任。2016年4月からPwCあらたに監査を依頼してきた。ところが、昨年末になってWHに数千億円規模の損失が発生することが明らかになったため、2017年3月期の第3四半期(2016年10月〜12月)決算に「適正」意見を出せず、決算発表ができない状態に陥った。結局、4月11日になってPwCあらたが「意見不表明」としたまま、決算発表を強行。財務局や東京証券取引所にも「意見不表明」の監査報告書を付した四半期報告書を提出した。

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