村山さんは検察取材の第一人者です。半ばインサイダーと言ってもよいかもしれません。検察の内部を知り尽くした記者なのです。本書の中で「(検事が)〜と知人に語った」という下りが何カ所か出てきますが、これは恐らく、検事が村山記者に直接語ったことなのだろうな、と読みながら思いました。その村山さんにここまでスパッと批判される検察の捜査手法は、本当に時代遅れのガラパゴスということなのでしょう。政界を取材していると、決してカネで動く政治家が減ったわけでないことに気付きます。しかし、この本を読んでいると、特捜部がそんな「悪」に迫ることはもはやできないのではないか、と思えてきます。
- 作者: 村山治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/08
- メディア: 単行本
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