国際会計基準IFRS先送り、「政治決断」で失われる国益

霞が関に役人は優秀で、自分自身が正しいと思う政策を持っているいるが、本当に実行できるかとなると立場は弱い。とくに、政治家と上司に「指示」された場合、それに従わざるをえない。というか、それが役人の出世の道だ。
今、金融庁で起きていることは、まさしくこれだ。金融庁の現場は、経済がグローバル化する中で日本が存在感を維持し、日本の主張を少しでも通せるように、会計基準の国際化、IFRSの基準づくりでの発言権の拡大に務めてきた。
ところがここへきて、反IFRS派が「上司」である金融庁長官に要望書なるものを提出、会計に明るくない自見金融大臣を篭絡してIFRS先送りを決めようとしている。大臣が記者会見で配った資料まで反対派の頭目が作るという一種異様なまでの動きだ。
国民で広く議論が必要だと言いながら、議論をせず、政治家や役人、大手メディアに圧力をかけて、議論を封殺するのは「政策テロ」に他ならない。

要望書に名前を書いた企業が、いかに誑かされて署名したかは、今週発売のFACTA7月号の連載の中で「なんちゃって血判状の腰砕け」として詳しく書いた。 http://facta.co.jp/article/201107008.html

また、ここへきての急な動きをとりあえず「現代ビジネス」にまとめておきましたので、ご一読いただければと思います。現代ビジネスのページ(無料)→ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/9505

編集部のご厚意でこの以下(ブログの「経済ニュースの裏側」)にも貼り付けておきます。