2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

独エネルギー大手のしたたかな原価引き下げ交渉に学べ! 〜電気料金引き上げの前にやるべき事

欧州で発電・ガス供給などを行うエネルギー大手の独エーオン社が8月13日に発表した2012年1-6月期決算は、純利益が前年同期の3倍以上に相当する31億3,300万ユーロ(約3,000億円)と急増した。天然ガスの供給元であるロシアの政府系企業ガスプロムとの交渉の末、…

総合取引所の創設で価格決定権を握れ 日本に商品市場の復活を

日本の電力会社が割高な燃料ガス(LNG)を購入していることが問題になっています。一方で、つい先日、国会で可決成立した日本の金融市場の活性化策に「総合取引所」があります。両者にはまったく関係がないように思われるでしょう。しかし、売買が活発に行わ…

会計基準でも懸念されるガラパゴス化  「IFRS反対」で失われる日本の国益

国際会計基準IFRSは、私が経済ジャーナリストとして20年近くにわたってフォローし続けているテーマです。日本は国際基準のヘゲモニーを握るのは、外交力の弱さなどと相まって苦手なのですが、この会計基準分野では国際的な発言力をかろうじて保っていま…

なぜ会計監査は経営者の不正を防げないのか---吉見宏・北海道大学教授に聞く。 「過去の不正を徹底検証しケーススタディを蓄積すべき」

企業経営者の不正を会計士は発見できるのか、というのは長年の議論です。会計監査というのは不正がないことを前提に行うので、経営者が会計士を騙そうと思ったら、会計士は不正を見逃せない、というのが会計士の長年の主張です。しかし、世の中は株主の利益…

東電決算書に描かれた「だまし絵」

少し古くなりましたが、FACTA7月号の記事を編集部のご厚意で再掲します。最近最も過激なメディアといえるFACTAに連載をいただいて1年余がたちました。よく「なぜ、監査役 最後の一線というタイトルなのですか」と聞かれます。監査役についての話題を書くと…

「大山鳴動鼠ゼロ匹」で終わる企業統治改革

コーポレート・ガバナンスというと、企業経営者の暴走を防ぐ「ブレーキ」機能を強化せよ、という議論に聞こえるが、本来は、利益追求をする企業経営者の背中を押す「アクセル」機能もあります。企業が剰余金を抱え込んで新規投資をしない、と批判されますが…

元駐スイス日本国特命全権大使 國松孝次氏  「スイス滞在を経て」 第1回

スイスへの日本企業の誘致などを行う「スイス・ビジネス・ハブ(スイス外国企業誘致局)」という組織があります。スイス大使館の中に事務局を置き、投資促進セミナーなど数々のイベントを実施しています。その誘致局が発行する日本語版ニューズレターで2011…

どこからも「異質な声」が出ない社会

フジサンケイビジネスアイの1面コラムは、書き始める前に想像した以上に反響があります。知り合いの大企業経営者や大物官僚OBなどから、「読んだぞ」と言われることがしばしば。1面であることや、写真が入っていることから、目に付きやすいのかもしれませ…

東北発景気回復で日本はデフレを脱却できるか!? 復興予算18兆円の浸透と銀行預金の減少がもたらす経済波及効果

しばらくブログの更新を怠っていたら、「バカンスですか、ご病気ですか」というメールまでいただいた。ご心配ありがとうございます。あまりの暑さに怠けておりましたが、再び、従来のペースに戻りたいと思います。今年3月頃から、東北発の景気回復が始まる…