軽部謙介「沖縄経済処分」(岩波書店)

先日、私の主宰する勉強会で、旧知の軽部謙介さんに「沖縄」についてご講演いただいた。軽部さんは時事通信社の記者で、経済部畑を歩き、日銀や大蔵省(財務省)詰め、ワシントン支局、ニューヨーク総局長などを歴任。現在は編集局次長を務めている。これまでも何冊も本を書いているが、米国の公文書の情報公開などを求め、史料を発掘する正攻法のドキュメントに取り組んでいる。本書は沖縄の日本への返還にあたっての「密約」がテーマだ。政権交代で政府は密約の存在を公式に認めたが、仮に自民党に政権が戻った場合、「密約は存在しない」と言い続けてきた責任が改めて問われるのではないか、と軽部さんは語っていた。

ドキュメント 沖縄経済処分――密約とドル回収

ドキュメント 沖縄経済処分――密約とドル回収