2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「陰謀史観」秦郁彦著(新潮新書) 

最近とみに「陰謀論」ばやりだ。経済書ビジネス書のコーナーではそうした陰謀論がベストセラーとして並んでいる。読めば面白いことこの上ない。そんな「陰謀史観」の変遷をたどったのが、この本だ。幕末から「欧米の陰謀」をベースにした著作が流行し、それ…

社外取締役不要の「言い訳」を笑え

FACTA9月号に掲載した連載記事を編集部のご厚意で再掲します。 オリジナルページ→ http://facta.co.jp/法務省の法制審議会会社法制部会は8月1日、「会社法制の見直しに関する要綱案」をまとめた。昨年末に同部会で選択肢として示されていた「社外取締役1人…

消費税が定着した今、酒税を別途課税する必然性はあるか!? 消費税率引き上げを機に考えたい税制のあるべき姿

消費税率が現行の5%から段階的に10%に引き上げられることが決まり、酒やたばこに課されている物品税との「二重課税問題」が再燃しそうだ。酒やたばこには、高い酒税やたばこ税がかけられているが、その税額を含んだ小売価格に消費税が課されている。 消費者…

IFRS導入で高まる 日本企業の国際競争力

WEDGE9月号に掲載した連載「復活のキーワード」の記事を編集部のご厚意で転載させていただきます。東海道新幹線のグリーン車に置かれていますが、WEB版も好評です。一度覗いて見てください。 →http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2180 円高を生か…

橋本正博・前特許庁審査業務部長 「スイス滞在を経て」第4回

「スイスビジネスハブ(スイス企業誘致局)」 ニュースレター連続インタビュー スイス企業誘致局→http://www.invest-in-switzerland.jp/internet/osec/ja/home/invest/jp.html 2012年9月号 聞き手:元日本経済新聞社チューリヒ支局長磯山友幸 スイスと日本…

改正金融商品取引法の成立で「総合取引所」がついに実現!! 役所の縛りをこえて東証・大証の統合で「強い取引所」はできるか

「総合取引所」を実現させるための制度整備を盛り込んだ改正金融商品取引法が9月6日、衆議院本会議で可決された。すでに参議院は通過しており、会期末ギリギリでの法案成立となった。これまで、金融庁と経済産業省、農林水産省に分かれていた取引所に対する…

消費増税は“同床異夢”状態 官僚の本音は「ともかく増税」

谷垣禎一氏が自民党総裁選に出馬しないことを表明しました。野田佳彦首相との会談で合意した「近いうちに」は、国会会期末ということで密約ができていたのではないかと見ていましたが、完全にハズレでした。解散せずに総裁選になれば、谷垣おろしになるのは…

河合江理子・京都大学教授 「スイス在住を経て」 第3回

「スイス・ビジネス・ハブ(スイス企業誘致局)ニューズレター 連続インタビュー 2012年6月号 聞き手:元日本経済新聞社チューリヒ支局長磯山友幸 スイス企業誘致局→http://www.invest-in-switzerland.jp/internet/osec/ja/home/invest/jp.htmlスイスと言え…

軽部謙介「沖縄経済処分」(岩波書店)

先日、私の主宰する勉強会で、旧知の軽部謙介さんに「沖縄」についてご講演いただいた。軽部さんは時事通信社の記者で、経済部畑を歩き、日銀や大蔵省(財務省)詰め、ワシントン支局、ニューヨーク総局長などを歴任。現在は編集局次長を務めている。これま…

東北発の景気回復が始まっている── 住宅建設が全国に波及すれば「デフレ脱却」へ

今月のエルネオスに掲載した記事を編集部のご厚意で再掲させていただきます。 エルネオス→http://www.elneos.co.jp/ 月刊エルネオス 連載 硬派経済ジャーナリスト磯山友幸の≪生きてる経済解読≫──(17) 建設系職人の日当はうなぎ上り 「景気が良くなる」と言っ…

前刀禎明アップル日本法人前代表に聞いた「アップルが復活し、シャープ、ソニーの凋落が止まらないのはなぜか」

ほんの数年前まで「世界の亀山モデル」の液晶テレビは他の追随を許さないと言っていたシャープが大幅な赤字に苦しんでいます。多くの人が日本のモノ作りが本当にヤバイのではないか、と感じているのではないでしょうか。なぜ、日本のモノづくりがここまで危…

高齢化で増え続ける医療費がついに37兆円を突破! 消費増税でも補えないのなら、党利党略を越えた国民目線の議論を!

医療費の増加が止まらない。厚生労働省がこのほど発表した2011年度の医療費総額は、約37兆8,000億円と、前年度に比べて3.1%、約1兆1,500億円も増えて、9年連続で過去最高となった。高齢者が増加しているうえ、医療技術や医療機器の高度化で1人当たり医療費が…

金融庁が「詐称」を容認した学者

民主党政権とは何だったのか、次の総選挙の後には様々な本が出版されるに違いありません。そんな中で、私が疑問に思い続けているのは、なぜ、民主党が政権交代以来、「金融担当大臣」を国民新党に委ね続けているのか、です。得票率数%の国民の支持を得たわ…

検察 破綻した捜査モデル 村山治著(新潮新書)

村山さんは検察取材の第一人者です。半ばインサイダーと言ってもよいかもしれません。検察の内部を知り尽くした記者なのです。本書の中で「(検事が)〜と知人に語った」という下りが何カ所か出てきますが、これは恐らく、検事が村山記者に直接語ったことな…

仲田正史・野村信託銀行社長 「スイスに在住を経て」第2回

「スイスビジネスハブ(スイス企業誘致局)」 ニュースレター連続インタビュー スイス企業誘致局→http://www.invest-in-switzerland.jp/internet/osec/ja/home/invest/jp.html 2012年4月号 聞き手:元日本経済新聞社チューリヒ支局長磯山友幸 スイスと言えば…