2012-01-01から1年間の記事一覧
霞が関の改革派官僚の間から最近、「馬鹿らしくてやってられない」という声を聞くことが増えています。6月末に支給された官僚のボーナスは平均9・2%減ったと報道されています。給与の一律カットが始まったためですが、幹部の削減率はさらに大きくなって…
7月6日金曜日の夕方、首相官邸前に行ってきました。毎週金曜日に行われている「反原発デモ」の実状を知りたいと思ったからです。ほとんどメディアでは報道されてこなかったデモですが、前の週は霞が関から官邸に上がっていく道路が人波で埋まっている様子…
世界で不動産価格が再び上昇している。2008年のリーマンショック後は、株式などと共に大幅に下落したが、急速に戻しているのだ。金融危機に揺れる欧州でも、ドイツやスイスの不動産に投資資金が流れ込んでいる。景気の減速が指摘されている中国でも不動産熱…
7月2日、小沢一郎氏ら50人が民主党に離党届けを提出しました。当初は同調する議員は少数と見ていましたが、50人になったのは小沢氏の主張に一定の「大義」があるからでしょう。マニフェストを国民との約束だとして議席を得て、政権交代を行ったのですから、…
物事には表があれば裏があるのは必然です。日本のメディアで欧州を取り上げる時はギリシャ危機の話が大半ですが、ギリシャの裏側でドイツは好景気を謳歌しています。さらにその資金が流入しているスイスの話を「現代ビジネス」に書きました。ご一読下さい。 …
政権交代以降、日本の金融に関する政策は、選挙で1%余りの支持率しか得ていない小政党が握り続けています。国民新党のことです。郵政民営化への「逆行」を主張してきた国民新党と連立を組むに当たって「郵政改革担当大臣」を国民新党に渡すのは分からない…
「国のかたち」を決めるのは「税」です。国民から誰がどういう税を取り、どう使うか、というのが国家そのものの機能と言えましょう。基本的に国が国民から直接税金を徴収し、それを地方に再配分するという形が明治以来の日本の中央集権構造を規定しています…
FACTA6月号の連載コラムを編集部のご好意で以下に再掲致します。 オリジナルページ→http://facta.co.jp/article/201206034.html長年にわたって巨額の損失を隠し続ける粉飾決算事件を起こしたオリンパスが、新経営陣を選ぶ臨時株主総会を4月20日、都内…
国際会計基準IFRSを日本企業に導入するかどうかは、一見、専門的な話しに見えますが、日本のグローバル化を進めるうえで、非常に大事な問題です。6月14日にその方針を決める企業会計審議会の総会が開かれましたが、私が予想した通り、議論先送りとい…
消費税増税法案の行方が焦点になっていますが、衆参のねじれ国会の中で、他の法案はほとんど審議が進んでいません。そんな中には、法案が通らないことを霞が関が祈っている法案もあるようです。 ビジネス情報誌「エルネオス」6月号に掲載した記事を編集部の…
民主党が掲げてきた「政治主導」が事実上崩壊した今、政府の審議会はかつて以上に霞が関の思うがままになっています。長年、民主党シンパだとみられていた、あの藤原和博さんまでブチ切れる始末です。現代ビジネスの原稿を再掲します。 オリジナルページ(講…
チームFACTA名で「オリンパス症候群」を平凡社から刊行しました。タイトルの通り、オリンパスの巨額損失隠し事件は、日本の株式会社全体にかかわる問題だという視点から書いています。FACTA編集主幹の阿部重夫さんを筆頭に、私と松浦肇の「日経脱…
市場関係者と話していると白川方明・日銀総裁のKY(空気が読めない)発言に怒っている人が少なくありません。どうみても市場に出回るマネーの総量が足りないという声が多いのに、紙幣を増発し、国債を直接引き受けを際限なくやれば、手の付けられないインフ…
スイス出張の主目的はWDAフォーラムというシンポジウムを取材するためでした。日本とスイスで人口問題と高齢化問題の解決策を探っていこうという民間の会議です。さっそく現代ビジネスに原稿を書きましたので、ご一読いただければ幸いです。しかし、取材して…
1週間ほどスイスに出張してきました。2002年から2年余り日経新聞のチューリヒ支局長として駐在した第二の故郷です。日本の新聞を見ているとユーロ危機で欧州の国民経済が破綻に瀕しているのではないか、と思いがちですが、やはりスイスも違っていました。不…
Facta5月号に掲載した記事を編集部のご厚意で再掲します。 オリジナルページ → http://facta.co.jp/article/201205049.html 駆け出しの記者だった時代、財界人取材で東京電力の会長室に何度か行ったことがある。ドアを開けると、部屋の半分の電気が消…
日本で行政改革は永遠のテーマです。財政赤字がこれだけ膨らんでいるのですから当然です。東日本大震災もあって、公務員給与を7・8%も削減することになり、実施に移されしました。公務員にとってはこれだけの削減は初めてのことです。それだけに、霞が関…
ギリシャではEUと合意した緊縮財政に反対する急進左派連合が第二党に躍進、フランスでも仏独協調を否定するオランド氏が大統領となりました。危機を克服に向けた取り組みの「最後の壁」が民主主義であったというのは何とも皮肉なことです。「国の将来はとも…
WEDGEの5月に掲載した記事を編集部のご厚意で再掲させていただきます。オリジナルページは → http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1864?page=1 急速に進んできた円高は目先一服の気配である。政府は、円高が進めば国内産業が空洞化しかねないとして、…
民主党が政権を奪取して最も実現したかった事は何だったのだろうか。「脱官僚依存」「コンクリートから人へ」といった政権交代の原動力になったキャッチフレーズは早々に姿を消した。「高速道路無料化」「子ども手当」といったマニフェスト(政権公約)の柱…
出口治明さんは日本生命で社長候補と言われていた人です。社内で少子高齢化と保険市場の自由化を見据えたグローバル化戦略を主張しますが、当時のトップに疎まれて閑職に追いやられます。そんな出口さんがアントレプレナーと巡り会い、定年前に会社を辞め、…
4月18日にアップした現代ビジネスの記事が読まれているようです。このコラムでも繰り返し民主党政権の情報開示姿勢について批判してきました。しかし、同じ事が何度も繰り返されています。政府最大の役割である危機管理のあり方をもう一度再検証しておく必要…
現代ビジネスにアップされた原稿を編集部の御厚意で再掲します。オリジナルページ→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32501 政府が設置した「行政改革に関する懇談会」の初会合が5月7日、首相官邸で開かれた。出席した野田佳彦首相は、行政改革を社会保障…
5月1日、2日の連休の谷間はサラリーマンや公務員は出勤日。この2日間さえ休めれば9連休だが、それを実現するには、相当前から仕事を片付け、有給休暇の取得願いなどを出すのが世の常識だ。ところが民主党政権はそんな常識には囚われない、という事なの…
月刊誌エルネオス5月号に掲載した連載≪生きてる経済解読≫の記事を編集部のご厚意で再掲致します。雑誌HPは→http://www.elneos.co.jp/ 天下りOB中心の素人基金 一千億円を超える巨額の年金資金を消失させたAIJ投資顧問。国会に証人として呼ばれた浅川和…
東北発の景気回復が始まろうとしています。巨額の復興予算を被災地という限られた地域に集中投下するのですから、少なくともその地域の景気が過熱するのは当然といえます。さて、果たしてそれが日本全国に広がるか。私は復興が本格化すれば、東北の好景気が…
フォーサイトの原稿もなかなか読まれているようです。ありがとうございます。 政府は、環境省の外局として新設する原子力規制庁の4月1日発足を断念した。すでに関連法案を国会に提出しているが、野党が規制庁の独立性が乏しいと問題視しており、審議入りのメ…
WEDGE「復活のキーワード」4月号を編集部のご好意で転載いたします。 オリジナルページ → http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1788 ヒト・モノ・カネが集まらない国は栄えない。世界中から優秀な人材を集めるための仕組みを議論すべきだという話を2月…
AIJ投資顧問の巨額年金資金消失事件は、起こるべくして起きた事件です。同じような規模の年金消失が相次ぐかどうかは別として、多くの基金がAIJに投資していた基金と同様の問題を抱えています。これを機に年金運用のあり方について、もっと議論が盛り…
政府が設置法案を出している原子力規制庁の独立性を高めた自民・公明の対案が早ければ今週末にも国会に提出される見通しです。原発を再稼働させるなら、その安全性に目を光らせる規制機関は、きちんと独立性の高い組織にしなければならないのは当然だろうと…